REPORT

書き物:いろいろ活動報告から雑感・妄想・昔話など。

2022-01-11-TUE

06:ツンデレ・スナイパー

ワンコの散歩--それは同行するヒトも含めて、社交性や協調性が問われる場面だ。
しかしツンデレ・スナイパーこと、りん坊の振る舞いは普通のワンコとは少し異なる。
前方からワンコが歩いてくるのに気付くと、首を伸ばしお座りの体勢を取る。まずは相手を観察だ。
その距離、約10m。徐々に近づいてくるワンコ。りん坊は動かない。
距離が5〜6mに縮まったところで、りん坊はゆっくりと”伏せ”の体勢に変化する。
その姿はうつ伏せにライフルを構えたゴルゴ13。
風向き、距離を計算しながら光学スコープ越しに相手に照準を合わせるのだ。

ワンコはさらに少しずつ近づいてくる。敵か味方か?、高まる緊張・・・。世界の平和は守られるのか!?

ムムム、振っている!明らかに相手のワンコは、その尻尾を振っている。友好的態度だ。
一触触発の世界危機は免れた。
その距離50cm。ワンコは尻尾を振りながら鼻クンクン外交の姿勢。りん坊は警戒体勢の伏せからようやく体を起こすものの、尻尾はビタ一文も振ることはない。まるで紙粘土でできた尻尾のようにカチカチに動かない。
しかし鼻クンクンが始まると、積極的なのはりん坊のほう。尻尾は微動だにさせず、相手が武器を隠していないかを確認するボディチェックのよう。相手は従順に尻尾を揺らしたまま、りん坊のなすがままだ。
そしてクンクンはお尻の確認に移行する。執拗に相手ワンコのお尻をクンクンするりん坊。
相互友好条約締結にはこの尻クンの取り交わしが必要なのは、ワンコ外交では古今東西の常識だ。
まもなく相手のターンだ。念入りにクンクンを続けているりん坊だが、そろそろ後手番の相手にも譲らねば。
相手のクンクンが始まる。首元をクンクンと嗅がれるりん坊は、嫌そうに「チッ」という風情で天を仰ぐ。
チョー感じ悪いんデスケド・・・。
そのまま相手はりん坊の尻クンに移行しようとする。その刹那・・・、

「俺の後ろに立つな」。

光速で180度回転するりん坊。犬が西向きゃ、尾は東。
かのゴルゴ13は誰にもその背後を取らせなかった。そしてりん坊もその尻を差し出すことは決してない。
相手がなおもお尻を嗅ぎにくると、逆に相手のバックを取り返す。アマレスならば2ポイント加点だぞ、おい。

テイク&テイク。相手の尻は嗅ぐけど、自分の尻は譲らない。頼むよ、もう少し。飾りじゃないのよ、お尻は。
世の中あちこちに不平等条約はあるけども、なぜか世界の均衡は保たれている。