REPORT

書き物:いろいろ活動報告から雑感・妄想・昔話など。

2022-03-05-SAT

#5 変幻自在の天才マジシャン

自分の二つ目の会社への中途入社の面接相手はムラヤマさんだった。

テーブル越しの細身に眼鏡のムラヤマさんは、博士のような少年のような、そして堂々としているようでシャイな感じもして、とても不思議なヒトだった。
そして数ヶ月後、縁を頂いたその会社に入社したら、ムラヤマさんはもういなかった。
今思えば、姿を消すのはマジシャンならでは。
その時は「ベンチャーの会社をつくったらしいよ」とお聞きして、少し残念な思いをした記憶がある。

しかしその数年後、紆余曲折を経て、自分もムラヤマさんの会社にお世話になることになるのだ。
きっとこれもご縁!
結果的に自分にとって”青春の30代”をその会社で過ごすことになるのだけれど、それは天才ムラヤマさんを追いかける10年でもあった。

自分でサービスを構想して、自分でプログラミングをしてツールを作って、自分でプロジェクトを取ってきて、自分でデリバリーしてしまうその圧倒的なパフォーマンス。よく分からないまま後ろをついていくメンバーが、「ナルホド、そういうことだったのね」とヒザを打つ頃には、ムラヤマさんはもう別角度に走り出している。超一流のプレイヤーであり、経営者としてもあっという間に会社を大きくして事業を多角化する手品師のようなムラヤマさん。
ちなみに初めてお会いしたときから体重も1.5倍くらいになっておられるのでは・・・。圧倒的な吸収力と変幻自在ぶりはここもそう。

ともあれ、タネと仕掛けを見極めようとじっくり観察しても、また、話している構想の現実化を試みても、誰もムラヤマさんのようにプレイはできないのだ。
ひょうひょうとして好奇心旺盛でシャイな魔法使いは、今日もきっと“ワクワクの企み”をしているに違いない。