REPORT

書き物:いろいろ活動報告から雑感・妄想・昔話など。

2022-05-01-SUN

13:鳩を追う

日替わり気分屋のりん坊は、散歩途中に出会う友達犬に対しても気まぐれツンデレ対応。
同じ犬に対しても、ある日は鼻を突き合わせてクンクン友好対応だったり、次の日になるとガルルルルル〜と威嚇したり、またある時は逃げるように避けてみたりで、同行する下僕としても「姫、ご乱心を!」とオロオロするばかり。
そんなりん坊が、安定して”マウントを取り続ける存在” ― それが《鳩》。
そう、平和の象徴、東京名物サブレー、食パン1枚あたりに20羽くらいでクルック〜 の鳩である。

猫に対しては一定の警戒感を示すりん坊。距離を取り、一旦止まり、場合によっては伏せて、少し経ってからジリジリと近寄り、追い払う。その勝率は7割といったところ。すなわち30%の確率で猫には負けるのだ。毛を逆立ててシャ〜と言われたり、全く動じない猫には、りん坊から尻尾を巻いて逃げ出すのだ。
特に涼しい季節は、わが街はさまざまな猫たちが闊歩するキャット組のシマ。一匹狼(犬)のりん坊でも、猫番長を頂点とするキャット組には敵わない。

一方、鳩。公道を汚すフンはアレだけど、基本的に無害で優しい温厚な鳩。集団的自衛権を行使する鳩軍団は、多い時に30羽前後でツンツンと地面をついばんでいる。そんな彼ら彼女らを見つけるとりん坊は豹変。後ろ足で仁王立ちして、鳩を蹴散らしに行くのだ。

背筋を伸ばし、O脚で走るその姿は二本足で走るエリマキトカゲ(古い)。
前足二本を前方に伸ばし、後ろ足でピョンピョンと飛んでいく様はキョンシー(古い)。
リード紐も切れんばかりに鳩たちに突進するりん坊。逆にリード紐に引っ張られながら小走りになる人間。どちらが散歩されているのか分からない状況。
いや、むしろワンコとオジサンが二人で鳩を蹴散らしに行っているようにしか見えない。
Si 俺達はいつでも2人で一つだった 地元じゃ負け知らず そうだろ。 いや、どうだろう?

いずれにせよバサバサバサバサ〜と、散り散りに飛び去る鳩たち。ドヤ顔のりん坊。そこに他のヒトがいたりする場合は、暴れん坊のワンコに怪訝な視線が向けられる。恐縮する付き人。

『鳩の撃退法』は連日絶賛上演中。散歩コースしだいでは一日3公演くらいご覧になれます。