REPORT

書き物:いろいろ活動報告から雑感・妄想・昔話など。

2022-10-29-SAT

#22 千里のウシ

ウシジマさんは大学で出会ったその時から、人並み外れた物凄い「馬力」の持ち主だった。
牛のクセに馬のような・・・。

大学一年生時からどんな人にも物怖じせず、結果に向けて直線的に動くアグレッシブさ ― 会社の真似事をしているようなイベントサークルで一緒だった彼は、一人だけホンモノの社会人営業マンが混じっているような雰囲気で、同級生から見てもそれはとてもかっこよく眩しかった。
一方、“会社とか経済とか”に距離感(苦手感)を感じていたボクはあっという間についていけなくなって、麻雀専門のアウトローな学生生活をおくるのだけど、ウシジマさんはそのサークルだけでなく、複数の大学を束ねる団体を率いてみたり、自分でも会社を興したり、留年してみたり、とやはりヒーローだけが持つ冒険ストーリーを歩んでいった。

そして今でもボクが最も好きな彼の冒険譚、それはモンゴルからヨーロッパを駆け抜けた『ロード・オブ・ザ・ウッシー』だ。
卒業後、少し日本で働いた彼は、なぜだかモンゴルに商機を感じ、その地で携帯電話を中心としたビジネスを興す。もう、ここだけでなんで?なのだけど、ようやくそのビジネスが立ち上がったところで現地の仲間に裏切られる。もう、前のなんで?が掻き消えるほどのなんで?の展開。 そこから彼はどうするか?
とりあえずヨーロッパに向けて自転車で走りだすのだ。なんで?の嵐が吹きすさぶなんで?の荒野!
これぞロード・オブ・ザ・ウッシー。ひとりツール・ド・ユーラシア。

もう何というかヒトとしての脚力、馬力が違うのだ。スゴイとしか言いようがないし、それを淡々と話すウッシーがまたかっこいい。道中さまざまな出会いを繰り返し、人恋しくなったり、また人の温かさに触れたりして、心身少し丸くなって日本に帰ってきた。

そのあと少し経って彼と一緒に自転車(ロードバイク)に乗る機会が何度かあった。こちらはあっという間に置いて行かれ、坂道の上のほうには力強い脚ぶりで登っていくウシジマさん。すごいなぁと見上げる感じは、気づけば学生の頃と一緒だった。
時に人生の計算はままならないこともあるけれど、あの猛烈な馬力がきっと良き道を拓いていくのだろう。
あ、弊社のモロモロの計算は間違わないでくださいね、ウシジマ先生。