REPORT

書き物:いろいろ活動報告から雑感・妄想・昔話など。

2022-09-19-MON

#19 Ms. バタフライエフェクト

モルフォチョウという特別な蝶がいる ― その蝶々は、美しい青い羽で有名だが、実は羽そのものに特定の色があるわけではない。“構造色”と呼ばれるその現象は、光の波長との干渉や反射における発色で、見る角度によって色が変わるのも特徴的なことらしい。

マツオさんは、物腰は柔らかいのに信念は固い。カッチリ整理整頓されているのにフワッと優しい。そして労苦を厭わない生真面目さと、何でも柔軟に吸収するスマートさをあわせもつ。

前職、一緒のチームで働いていた彼女は、大きなプロジェクトでいつも“蝶番(ちょうつがい)”の役目を果たしていた。そう、まさに蝶番 ― 左右に大きく広がる羽根をその中心で支える肝心かなめの役どころ。
多くのメンバーで進めていく仕事にはこのようなヒトが欠かせないし、プロジェクトの成否のカギを握っている重要な存在。チームが拡がっていく際に、活動を一貫させる戦略立案の知恵袋として、また内外に仲間を増やしていく重要なコミュニケーターとして、どのような角度で向き合う相手にも、マツオさんはマルチな形で振舞うことができるのだ。

ベースとなるのは、ヒトに対する誠実さと自身の成長への強い信念。きっとその部分が根底にあるので、コミュニケーションに説得力が生まれ、誰からも受け入れられるのだ。その真摯な姿勢がゆえ、いつも多忙になってしまうのだけど、実はボクも彼女に助けられたうちのひとり。

コロナ禍となり、業界や仕事も一瞬スローダウンした2020年のエンタメ業界。オンラインながら同じチームでいろいろと雑談をしていた一人がマツオさん。ボクにとっては心地の良いコミュニケーションの“角度”で、さまざまな話をしているうちに、自分自身のこれからの旅路への思いや構想を整理することができたのだ。

ご本人にもきっとそんな感覚はなかっただろうけど、これこそ聞く力と話す力が、まさに左右の羽のように抜群にバランスしているマツオさんの力。いつも表情は柔らかく、振る舞いは穏やかで優雅な蝶のようだけれど、彼女の成長の一歩や、周囲への細やかな気遣いといった《小さな羽ばたきが、大きな成果や皆の幸せ》に繋がっていくのだ。