REPORT
書き物:いろいろ活動報告から雑感・妄想・昔話など。
2022-08-04-THU
#13 全裸現場監督
教養とは、知識を良心でくるんだだけなく、硬軟自在の変幻性。
そう、知識や情報はアタマの冷蔵庫の中にしまっておくだけでなく、煮たり焼いたり組み合わせたりと、手を加えて良き形にしてから環境に差し出さなければいけない。
お互いにだいぶシワも増えて髪も薄くなったけど、大学以来の友人カトウさんは、初めて会った時から圧倒的な知識量と世俗性を併せ持つ。
彼の知識を支えているのは読書量。
大学時代に遊びに行った彼の部屋には名作漫画『パタリロ』全巻などとともに、本屋以上のボリュームで”新書”が並んでいた。強烈に記憶に残っているのは、岩波新書の『エビと日本人』が並んでいたこと。何故この男は海老のことを学ぶのか?と困惑したのだ。
今思えば、高校生くらいから《短期的な知識だけではなく、将来の自分の栄養になる読書》ができていたのだと思うと感嘆する。
一方、活字ばかりのカタブツでなく、人一倍の世俗感も彼ならではのキャラクター。
自分でも言っているけど、良いシゴトをするには身も心もすぐに”脱ぐ”のがコツなのだそうだ。身も心も。
学生時代からの出来事をツラツラ書くのは、返す刀がコワイので控えるけど、広告会社に入ってからの武勇伝もいっぱいあるようだ(知らんけど)。
でもその“人間の欲望や生活のリアル”の現場に自分も肩まで浸かりつつ、裸の心でリラックスしながら課題の解決や創作のアイデアを手繰っていくこと ― まさにそれこそが教養が生きる術なのだろう。事件はいつも生活やシゴトの現場でおきているのだしね。
さて、とはいっても、どうやってアイデアやらを出したら良いのか・・・。そんな時こそカトウさんの出番。
アイデアをたくさん出すこと、また多くのヒトがアイデアを出せるようになること、現場監督の彼の考具箱にはそんな打ち出の小槌がたくさん入っている。