REPORT

書き物:いろいろ活動報告から雑感・妄想・昔話など。

2022-06-26-SUN

#10 イケメンおかあさん

母親というのは、コドモに対して何かと干渉気味で過剰なコミュニケーションになりがちだ。と思う。
我が子の健康かつ安全で無事な毎日を祈る無償の愛 ― 、いつも目の届くところに置いて、コドモたちを全力で守り続けたいのだろう。

アサノさん。男性。
同い年のアサノさんはそれなりの加齢モードでシブみは入ってきているものの、イケメンだ。
そんなにイケメンだったら、もっとツンツンすましていても楽に生きられるのでは?と勝手に想像するのだけど、アサノさんは違う。イケメンオヤジのくせに気を回しすぎるお母さんなのだ。

自分勝手なコドモたちからすると、お母さんというのは少し粘着。
「さっきメール送ったけど見てくれた?」と電子メールが届く前に歩いてデスクに確認にくるアサノさん。
忙しい時に限って「最近どう?」とプラプラやってきて、デスク横に座って長居を決め込むアサノさん。
「少しいい?」と夜8時から始まった軽い(ハズの)打合せが、何だかもう11時を超えるよ、アサノさん。
飲み会ではいつも取り分け係で、自分の分はさておき、千手観音ばりにみんなにサーブ。
イケメン母さん、もうコドモたちはお腹いっぱいで食べられないよ。

かくもお母さんというのは少しオーバーコミュニケーションなのだけど、か弱きコドモたちを守るために譲れない正義や愛情がある。強いものや理不尽に立ち向かうのはいつだって誰かのためで、その結果少し自分が損をすることだって厭わない。
イケメン課税でもかかっているの?という感じもするけど、母性あふれる愛すべきイケメンおやじ、アサノさんはそんな無粋な計算はまったくしないし、今日もこれからもずっとウザ優しい。