REPORT

書き物:いろいろ活動報告から雑感・妄想・昔話など。

2024-10-01-TUE

60:二人きりの夜

りん坊が我が家に来てこのかた、二人きりで夜を過ごしたことはなかった。
こちらが出張やら徹マンやらで家を外したことはあったので、家人は一人でりん坊をケアすることは何度かあったのだけど、逆にりん坊と離れたことはなかったハズだ。

そして9月。ついにこちらのターンがやってきた。
家人が一泊旅行に出かけることになり、かつ息子も不在ということで、自分とりん坊だけで留守番をすることになったのだ。ちなみに大学生の息子は、りん坊のお世話に関しては1ミリも役にも立たぬのでいずれにせよ戦力外でカウント外で論外だ。

はじめてのお使い、ならぬ、はじめてのお留守番。“幼稚園生のお泊り保育”的なドキドキ高揚感が漂う中、前日までにりん坊の食事であるささみの茹で方も学び、朝早くに家人を旅路に送り出す。

りん坊は、日中はリモート会議漬けの自分を下から眺めるいつもの感じ。廊下に佇み、誰かを待つように玄関先を見つめているような場面は少しあったものの、夕方の散歩に夕ご飯とつつがなく二人でこなしていく。心配性の家人にも自慢できるくらいここまで何も問題ナシ。
かわいいふりしてあの子 わりとやるもんだね と。

そして夕食後は毎度のようにヒトの布団を占領しながらグースカ寝ているところを見計らって、こちらも入浴タイム。サササっと洗い終えて出たところ・・・
わたし待つわ いつまでも待つわ
といった風情で、洗面所には三つ指をついたりん坊がチョコリンと待っている。
尋常でない可愛さにホッコリしながらと布団に入る。艶やかな毛並みを撫で、濡れた瞳で見つめ合う二人・・・。

「ゥガガガガッガ(ワレ、誰の布団だと思っとるんじゃ!)」

3秒くらいで猛烈なお叱りを受けたので、ヒトは畳の上、ワンコは布団の上でプラトニックな夜を過ごしましたとさ。おしまい。