57：行く行く詐欺

どこがどのように上手なのかを言語化するのはとても難しいのだけど、家人は自分に比べて、りん坊散歩の誘導テクがだいぶ優れている。
そのことは以前ここにも書いた記憶があり、特にその差は埋まらぬまま今に至っている。なので、りん坊としてもなるべく家人と一緒に散歩に行きたがっていたのだけど、この頃は何だかその傾向がさらに強くなってきた気がしている。被害妄想ではない。被害事実が沢山あるのだ。

昨年あたりは、二人（りん坊と自分）散歩の道中で急に歩くのをやめることはあった。
んが、ここ最近ははじめから歩かない。マンション玄関前から一歩も動かないのだ。
ちなみに「とりあえず散歩に行きますか･･･」てな感じで誘ってくるのはりん坊のほう。そのくせ、いざ外に出るとピタっと動かない。

しかしこちらも“ワンコを一ミリも引っ張らないオトコ”としての意地があるワケで。
歩かないのなら歩き出すのを待つのみ。鳴かせてみよう、ホトトギス。

・・・歩きもしないしワンとも鳴かず、トホホ過ぎ。

膠着状態の中、マンション前を通り過ぎるヒトたちの怪訝な視線が痛い。
虐待されているのはこちらなんです。こちらが詐欺の被害者なんです。
あー、もうりん坊、歩いて！歩かない？ 歩こうよ。
人生は　ワン・ツー・パンチ　汗かき　べそかき　歩こうよ

本日も夕方二回、りん坊はマンション玄関前の門柱あたりでピタリ。
シーサーもしくは狛犬のように、絶賛魔除け中。