REPORT

書き物:いろいろ活動報告から雑感・妄想・昔話など。

2022-06-04-SAT

016 篠田桃紅展

昨年107歳で亡くなるまで、70年以上にわたり抽象表現を描いてきた芸術家の回顧展。
略歴を拝見したところ、本当に波乱万丈というか怒涛の人生を駆け抜けた方だったようです。恥ずかしながら、作品もお名前も知りませんでしたが、外出での打合せから移動先への流れでぶらり訪問。

【ハラオチ】
ズブの素人鑑賞者ながらも、キュビズムくらいの“解像度”があれば、その解釈の正誤はともあれ、なんとなく作家の視点や角度で作品対象やメッセージをイメージできるのです。
んが、篠田さんくらいの抽象度の高さになってくると、目の前の作品ではなく、作家の頭の中を想像することに意識が移ってきます。コリャ、いったい何を考えていたのか・・・と。
特にUntitled(作品名不詳)の作品は、手がかりを与えない“ノーヒントの難問なぞなぞ”の佇まいで目の前に直立しているのでありました。

【ヒザウチ】
モニター展示だった《篠田桃紅と近代建築》のスライドショーを見て、ナルホドと・・・。
抽象アートは、その“居場所”として、国際会議場とかホテル、大企業の自社ビルエントランスといった、深い意図を持ちながらもあらゆる場面に適応できるよう設計された場所と相性が良いのです。
緊張と緩和、フォーマルとカジュアル ― 抽象アート作品は、その場所や時間を“中和する力”も持っている気がします。

【コレイチ】
展覧会のキービジュアルでもあるこちら。タイトルは『熱望』。