REPORT
書き物:いろいろ活動報告から雑感・妄想・昔話など。
2022-02-01-TUE
07:仁義なき布団抗争
腰痛対策でベッドを処分してから、家人と自分は和室に布団を二組敷いてそれぞれの寝床としている。
りん坊が我が家にやってくるずっと前からだから、かれこれ5〜6年になるだろうか。
水泳やストレッチをしたりもあるのだけれど、寝床効果もあり背中や腰の調子も良くなっていた。
りん坊がケージを使わなくなって早くも1年。塀の中から外に出たワンコはシャバの空気を謳歌している。
キッチンへの侵入を防ぐ可動型の柵はあるものの、自由にリビング、和室、物置部屋などを闊歩している。
そして夜。
早起きりん坊としては就寝時間は夜10時から11時。寝室は和室。二組敷いている布団のうち、白いシーツのほうは家人のもの。そのあたりはりん坊もわきまえているので、あまりそちらに勝手に入るワケにはいかない。
残った布団はグレーのシーツのほう。そちらは”自分の”布団だ。
二歳のワンコと五十路オヤジ、絶対に負けられない戦いがそこにはある。
こちらが風呂からあがって布団に入ろうとすると、そこには長い茶色のちくわみたいなモフモフがど真ん中に横たわっている。りん坊だ。
競売物件の不動産には占有屋と呼ばれるちょっと怖い人たちが居座って、権利者に対して理不尽な要求をすると聞いたことがあるが、極めて似ている。極似の極道だ。占有屋おりんは、強面で地権者に対して恫喝をする。
「りん坊、ちょっと父ちゃんも寝るよ」
「ガルルルル〜」
「じゃぁ、ちょっと横に寝かせて」
「ガルルルルルルルル〜」
地権者なのに自分の土地に入れずに往生しているサマを見て、白いシーツのほうからは「クククク」と、「あ〜こっちでなくて良かった」という傍観者のおさえた笑い声が聞こえる。
意地悪するかのように中心から少し斜めになったり、微妙にカーブしてみたりストライクゾーンを広めに使う<ナゾの茶色い長い棒状の生き物>。
触れたらガブっとくる罰がくるツイスターゲームでもしているのか、空白エリアに合わせて体の向きや手足の角度を調整する自分。基本的には布団の縁のほうの妙な形のパズルピースとなるのだ。
ここ最近、朝起きても背中や腰がカチコチだったりするのは気のせいだろうか・・・?
夢ならば どれほどよかったでしょう。
でも冬の朝方、りん坊はモゾモゾと「くの字」に寝ている自分のお腹のところにぴったりと体を寄せてくる。
休戦協定が結ばれている至福のひとときだ。