REPORT
書き物:いろいろ活動報告から雑感・妄想・昔話など。
2026-04-20-MON
#40 シネマ・クライマーズ・ハイ
がっちりとした体躯をカジュアルな服に包み、外国人俳優のようなダンディな無精ひげを蓄えるワキザカさん。第一印象は、険しい山を一歩ずつ着実に進んでいく登山者のそれである。まぁ、これまで本当に多くの山に入ってきたというのだから、あながち間違いでもない。
前職からお世話になっている大先輩であり、業界のレジェンドでもあるワキさん。長年身を置いてきたのは、映画宣伝の仕事だ。作品を世の中に送り出すため、パブリシティの現場を中心に、舞台挨拶の段取りやメディア対応など、作品と観客をつなぐ役回りを、ずっと裏側で支えてきた。
本人は「たまたま長くやっているだけですよ」と笑うが、気づけば日本のあのアニメも、海外のあの実写も、彼が手がけて大成功させたものばかりだ。
作品のためなら、たとえ火の中、水の中でも――ということで、某TV番組では本当に熱湯風呂に入ったこともあるらしい。
「もうそろそろ後進に道を譲って……」と引退めいたことを口にし始めて数年。それでも周りからのリクエストを断れないワキさんは、今日も明日も宣伝活動を陣頭指揮している。
そこに山があるから登るのと同じで、そこに映画があれば手伝いに行くのがワキさんなのだ。“やめるやめる詐欺”なところはM監督と変わらないが、根底に流れているのは、人への優しさと映像作品への愛。それこそが、役職や立場に関係なく、周りの人がワキさんを慕う理由である。
人生これからは、「きょういく」「きょうよう」「ちょきん」が大切だとワキさん。
聞けば、「今日行くところ」と「今日の用事」、そして「筋肉を鍛え、蓄えること」がその意味だそうだ。
確かにそれもそうなのだろうけれど、映画愛あふれるワキさんの場合は――
興(キョウ)味が沸かず退(イク)屈そうに見える作品であっても、社会を豊かにする共用(キョウヨウ)財産であり、ちょ(チョ)っと誰かの心の琴(キン)線に触れるかもしれない大切なものなのだ。
……うーむ、言葉遊びとしてはチト苦しい。
これは宣伝のプロ・ワキさんから、改めてご指導を仰がねばなるまい。