REPORT
書き物:いろいろ活動報告から雑感・妄想・昔話など。
2023-06-11-SUN
40:牛歩の犬
以前の紹介で、路上どこでも仰向けに寝っ転がるりん坊のことを書いた。
最近も絶賛ゴロゴロ中なのだけど、同じくらいに増えてきたのが《ロング伏せ》。
細長い体を伸ばして、その場からジ~っと動かなくなるのだ。家の中だったら、習字でもしたくなるくらいの“茶色いモフモフの文鎮”の様相。
「散歩に行くゾ、用意するのだ!」と下の方から上から目線のりん坊にお応えして、「ハッ!了解です」とイソイソと準備して出かける午後のひととき。
颯爽と歩き始めるりん坊と、かいがいしく追従する執事。大はピック、小には水かけ。リードの伸縮を使って、できるだけりん坊のストレスを回避する手綱さばき。完璧な黒子ぶりにご機嫌も麗しくあるハズ。
ほら あなたにとって 大事な人ほど すぐそばにいるの
しかし・・・。
ピタ!!! と音が聞こえるくらい、急に止まる。
そしてジ~~~ と音が聞こえるくらい、動かない。
頭をなでたり、背中をさすったりしようとすると、「ギャン(やめてよ)!」と、こちらはホントの音声付きで怒る。
強行採決をしているワケではないのだけど、ご不満な様子の牛歩状態。まぁ実際は一ミリも動いていないので、牧場に寝そべる不機嫌な牛のよう。
君子危うきに近寄らず、ではないけれど、しばしご機嫌が戻るのを遠目から見守るのだ。
そろそろ次のオンライン会議が始まっちゃうよ、とか、なんだか雨も降ってきそうだよ、こちらもジリジリしてくると、急に何かを思いついたように、またテクテクと歩き出すりん坊。
一体この時間は何だったのでしょう、姫?
移り気なたとえとして「女心と秋の空」とは言うものの、江戸時代までは「男心と秋の空」だったそう。
時代とともに主役は変わる。令和のいま「りんの心と秋の空」がふさわしい。