REPORT

書き物:いろいろ活動報告から雑感・妄想・昔話など。

2023-01-17-TUE

#25 ビートを刻む肝っ玉マエストロ

全てのビジネスや勝負事には“流れ”がある。それはまさに音楽の旋律のよう。
かすかであっても不自然なメロディの流れや、不協和音、突然崩れるバランスといった違和感は、音楽にもビジネスにも良い影響を及ぼすことはない。

そんなビジネスの流れやちょっとした変化を感じ取り、オーケストラを指揮するように全体を見渡しながら、クールに舵取りをするのがアーチーさんだ。抜群の落ち着きの彼は、前職でお世話になったスター上司のひとり。

エンターテイメントビジネスは最高にエキサイティングだけど、先の予測がつきづらいとても難解な狂騒曲のよう。さらにこの数年は、業界全体の流れが大きく“転調”して、状況はますます複雑になっている。
そんな中、アーチーさんはビジネス全体の旋律に耳を澄ませ、チームメンバーのパフォーマンスを鼓舞しながら、今も要職で指揮棒を振り続ける。

そして彼が多少のことには動揺しないのは、きっとその経験値の高さからくるもの。
国内外のショービズでくぐり抜けてきた多くの修羅場は、ほとんどオープンできないネタばかりだろうけど、アーチーさんの《肝の太さや落ち着き》はきっとそこからきているのでは、とこちらは勝手に想像している。
だからアーチーさんは毎日のニュースに一喜一憂せずに、いつも楽しいことを追いかけて、いくつものサプライズを実現できているのだ。

派手な立ち回りはしなくても、エンタメの力を信じ、アーチストたちの創造性を尊重して、ともに楽しみながらも、しっかりとビジネスとしてコントロールする。それはずっとリズムをキープするベースラインのよう。こちらはその安定のリズムの中、端っこのほうでトライアングルを「チーン」と鳴らしたくらいだけど、少し離れてみるとその凄さやありがたみがシミジミと分かる。

アーチーさんはガッチリした体で、毎年のように楽しそうに軽くマラソンも完走する。1回のフルマラソンがトラウマになったこちらとは大違いだ。でもこれも、厳しく長い道中であってもしっかりリズムをキープすることができるスタープレイヤーの証なのだ。