REPORT

書き物:いろいろ活動報告から雑感・妄想・昔話など。

2022-07-01-FRI

17:獣医さん

自分のことではめったに病院に行こうとしない家人だけれど、りん坊の様子に少しでも異変があるとすぐに病院へゴー。
車で5~6分走ったところに信頼がおけるペットクリニックがあったのは本当に良かった。
いつも明るく分かりやすい説明をしてくれる獣医さんのおかげで、心配性の家人も安心して帰宅することができるのだ。

んが、りん坊としてはやはり病院は怖いところ。
エントランスから受付に入ると、そこには見知らぬワンコやニャンコたちが神妙な顔をして待っている。飼い主のヒザの上だったり、バッグの中だったり・・・。内弁慶タイプのりん坊としては、キョロキョロ見渡して、クンクンと鼻レーダーもフル回転しているものの、自分からは積極的には動かない。しばし家人のヒザの上で静観模様。

「りんちゃん、どうぞ~」と名前を呼ばれて診察室に入ると、そこにはいつものチャキチャキの女性獣医さんが笑顔で待ち受けている。
「あー、りんちゃん、久しぶり~。相変わらず美人だねぇ」と朗らかな声で話しかけてくれ、飼い主もリラックスさせてくれるオープニングトーク。
でも診察台に乗ったりん坊は、来院に至った経緯などをやり取りしている人間を横目に、緊張の面持ちでチャカチャカと爪を鳴らして家人にすがりつく。
説明を終えると、「ナルホドナルホド。ちょっとりんちゃん、ごめんね~」と先生はりん坊の目を見開いたり、首筋やらお腹のあたりを触診したり。聴診器で心音なども聞きつつ、診断をくだしていく。

獣医とは圧倒的なコミュニケーション能力が問われるシゴト。
人間語で会話ができないペットの状況をどうキャッチするのか。痛み、苦しみ、怖さ、辛さ ― ボクは何を思えばいいんだろう ボクは何て言えばいいんだろう ・・・ 人間同士だって伝え合うのは困難なのに。
おそらく、そこには学んだ知識と過去の経験、想像力をベースとした“胆力や覚悟”が必要に違いない。
「ちょっとチクっとするよ~」と声をかけて注射をした後は、「よく頑張ったね~」と褒めてあげる。
イヌネコの微かなサインを見極めて容態を判断して、自分の言葉や態度は相手に届くと信じて優しく差し出していく。

そういえば我が家の息子は幼き頃、数年にわたり『医者モード』が続いていた。
小さな白衣をきて、聴診器を首にかけ、カルテ風のメモを片手に、家中をウロウロと回診していた。我が子ながらチトおかしなことになっているなぁとも眺めていたけど、今なら理解できる。お医者さんって、かっこいいんだよね。

来世では小さい頃からもう少しマジメに勉強して獣医になろう。